輪と話と和
竹下慶宣君からバトンを受け取りました。淺野政彦です。(102回生)
昭和55年4月、真新しい制服に身を包み、高校生活に期待で胸を膨らませ、母校校門をくぐりました。学級分け発表で、私は1―5となっており、教室で出会ったのが、何よりも忘れてはならない恩師中野貞弘先生でした全くの偶然ですが、1―5では私以外に中川健君、不藤光宏君の2人がおりました。2人とは奇しくもその後2―9、3―3と共に、中野先生に卒業までの3年間担任をしていただきました。その縁もあり、中川君達とは高校時代から現在まで続く大切な友人です。
私の高校生活は、中野先生をなくしては語れません。今でもお目にかかれば、先生は齢を感じさせず、おしゃれで御元気、往時の活気をそのまま彷彿させてくれます。
中野先生と過ごした、3年間で印象に残っていることは、本当に数多くあります。その極一部を紹介しますと、
毎年夏休みのクラス合宿を開催、参加
体育祭で、かっこよく仮装行列に参加
修学旅行でのスキー滑走のかっこよさ
洋楽を利用した、画期的な英語の授業
初めて触れた1年間の中国語の授業
文化祭で、中国語での動物劇の開催
等々で、今でも私の記憶に残っております。
中野先生には授業は当然、本当に様々なことを教えていただきました。その学びが社会人生活で大いに役立ったことは申し上げるまでもございません。私は母校卒業後、地方公務員として県内各地で勤務をし、御陰様で今春勤続40年を迎えました。卒業後も中川君達等友人と「八和会」と称し、年数回定期的に、高校時代の話等で飲み会を開催しています。
中野学級のクラス会についてお話をします。
これまで2回開催をしております。最初は卒業後21年経過した頃、同級生女性と電話で、会話からクラス会開催の運びとなりました。
母校卒業後20年以上も経過しており、連絡先の調査は困難を極めましたが、その結果、中野学級3年間の同級生、約130名のうち大半は連絡先が判明しました。しかし、同級生同士の疎遠、歳月等が阻害し、全く消息先や連絡先不明の方もいました。私は連絡先が判明した同級生に連絡を取り、平成16年3月28日、三宮で中野先生をお招きし、同級生37名と一緒にクラス会を開催しました。その席上、竹下君とも卒業後初めて再会することができました。彼はこのクラス会が、余程彼に感動を与えたようで、開催直後は元より、竹下君から直接聞いた方もおられることでしょうが、よく会話で「脳に響く」という名言を語ってくれました。
偶然の会話から開催したクラス会ではありましたが、結果的に中野先生をはじめ、参加された同級生達に感動を与えられたことを鑑みて、開催できて良かったと思っています。
竹下君とは、このクラス会で再会以降、良く会うようになり、前述の八和会にも参加してくれております。
最初のクラス会から4年が経過し、私は中野先生御勇退を耳にしました。私はそのお祝いを兼ねて、再びクラス会を開くことを思いつきました。この開催には、幹事として竹下君をはじめ、田中将造君、空雅之君、前田志津子さん(旧姓小林さん)の4人と共に、「プロジェクトN」と称して、開催前年の夏頃から半年以上かけて準備しました。私は事務局として、連絡先調査、開催連絡、出欠整理を担当しました。竹下君は中野先生へ贈呈する記念品、開催会場でのイベント計画等を担当しました。田中君、空君、前田さんは開催店舗の策定を行いました。特に、紅一点の前田さんには女性からの視点で、繊細な配慮を提案していただきました。拙稿作成に際して、前田さんには開催に向けて随分と助けられたと、大変感謝したことを思い出しました。
掲載の写真は、開催当日平成20年4月20日、店舗で参加者受付をしていた際に、私達幹事5人だけで何気に撮影してもらった1枚であります。何度も会合と称して飲み会を開き、絶対に開催するという、私達の強い一念で、様々な意見交換をした、戦友とも言うべき仲間達と、一緒に写っている貴重な私の宝物の写真です。
中野先生を慕う同級生達の想いは申し上げるまでもありません。懐かしい顔との再会、盛り上がる話、イベント等々会場が、まるで往年の母校、中野学級教室になった感さえありました。特に、イベントのひとつ、中野先生への記念品贈呈の際に、中野先生が感極まられて、目頭を押さえる場面は感動的でした。
もちろん、お祝いの会は大いに盛り上がり、夜遅くまで予定外の三次会開催までの運びとなりました。
このお祝い会で恩師中野先生、懐かしい同級生達との再会、参加した私達は、嬉しさの言葉だけでは表現できないものを感じ、参加者自身の心の琴線に触れたものだと思います。
本年6月舞子ビラで開催されました、神商会同窓会に私が参加の折、同級生達をはじめ、久々に壮健そうな中野先生と再会することができ、たちまち私は昔日の母校や教室、往時の記憶が蘇りました。エルビス中野の生公演を拝見でき、参加された、恩師、先輩諸氏、同級生達と楽しい時間を過ごしました。
中野先生御勇退お祝い会以降、瞬く間に歳月は流れ、私自身の業務多忙、コロナ禍等々の様々な理由から、中野学級のクラス会は開催ができておりません。歳月が街の景色を変えて行くように、やはり人も変化します。
縁があって母校で出会った恩師、同級生方々との懐かしい顔と、いつの日か三度目の開催ができたらなと思っています。
次は、今回の神商同窓会で、久しぶりに再会を果たした、八和会メンバーで私の友人不藤光宏君にバトンを渡します。彼の文章にこうご期待を!